正午過ぎに眠たくなる・・・・・こう感じる方は多いかと思います。
実はこれは、ヒトの生体リズムの一環であると考えられているのです。
この眠気に関わらず、睡眠不足が知覚、運動パフォーマンスに及ぼす影響はこれまで述べてきた通りです。
「睡眠の重要性」
「寝不足と運動、知覚能力」
「良質な睡眠を確保するためには?」
寝不足にならないように注意したとしても、テスト勉強、課題、レポート等でどうしても睡眠時間が確保できない場合があることでしょう。
そのような場合には「昼寝」を活用することが非常に効果的であると、様々な研究から示唆されています。
(ヨーロッパなどではこの昼間の短時間睡眠のことを「パワーナップ」と呼んで、多く活用しているようです。なんだかかっこいいですね…。)
☆パワーナップに関する研究と活用
・4時間睡眠で寝不足の者では、翌日の昼に30分と昼寝をするかしないかで、眠気、短期記憶能力、2mスプリント、20mスプリントの結果が良くなった。(Waterhouse et al 2007)
・対象者を2時間睡眠にさせ、昼寝を行うことにより、ストレスの指標であるカテコールアミンの増加が抑えられ、一時的に低下した免疫力が元のレベルに戻った。(Faraut et al 2015)
また、この昼寝は、やりすぎてしまうと睡眠慣性というものの働きにより、逆に眠気が増したり、スッキリしない目覚めになってしまうことがあるため、比較的短時間(20-30分)で行うことが重要です。
さらに昼寝前にカフェインを摂取すること、昼寝後に軽い運動をすることで、目覚めが良くなることが示されています。
このように、どうしても寝不足になってしまったり、昼間の眠気で午後の練習に影響を及ぼす可能性がある場合は、昼寝を活用してみるのも有効な手段であると考えられます。
昼休み、授業間、会社での休憩時間に余裕があれば、昼寝を心がけてみると午後の仕事、勉強、運動効率は大きく改善されることでしょう。
参考文献
・Hausswirth & Mujika(2013):Recovery for performance in sport. Human Kinetics.